2007年04月27日

ちゃんとしよう。

 ここのところの気温の乱高下も手伝ってか、体調が微妙だったので、指圧へ。
はぁ〜効く〜、と思って帰ってくると、あらー。
すごいスッキリしてました。


うん、やっぱり体の調子って大事だよね、とここのところの不摂生を大反省。


そしてふと、西田東の『彼の肖像』(新書館)のセリフを思い出しました。


野心家の新進画家である麻生。
名のある画家に弟子入りして取り入ることを画策したり、いろんな計略をめぐらせるけれど、それらはすべて、基盤を持たない自分が絵を描いていくことへの情熱ゆえ。

自分には絵だけでいい。面倒な欲求を満たす必要のある体なんか、なくなってしまえばいい、
「右手と目だけの生き物になれたらな」
「ただ絵を描いていられたら」

と言う麻生の言葉を聞いて、ヘタレお坊ちゃん画家の夏樹が言うのが、こんなセリフ。



……俺にはよくわかんねえけど
あんたの絵
何か凄く訴えかけてくるものは感じたよ

……あれはメシ食ってクソしてる人間にしか描けないよ


★★★★★
うん。
やっぱりメシとか……とか、そういう体のことは、大事だ。
ガタがこないとなかなか意識できないけど、ガタが来る前に、なるべく意識していこう、と思いました。



彼の肖像
彼の肖像
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西田 東
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posted by 川原和子 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | BL

2007年04月22日

同人誌。/同人誌と表現を考えるシンポジウム

 もう日曜だというのに、火曜発売の『週刊アスキー』のお話で恐縮です。
週アス女子ページの「キュン死に寸前!」、今回は同人誌について、でした。



 同人誌…。
 今回の週アス記事にもありましたが、同人誌を、たとえば文芸の、詩とか小説とか短歌の同人誌、と思っている年輩の方と、いまのオタク的な「同人誌」と思ってる人では、同じ言葉にもつイメージは、全然違いますよね…。


そのギャップの大きさは、「萌え」という言葉に対する、オタク文化に馴染みのない方が考える「春、木の芽萌えいずる」というような本来の意味と、キャラクターなどに対して語尾をのばしがちに言う「萌えー!」とではまったく違う、というのに似ているかもしれません。



 ちなみに2年ほど前の3月、たまたま阿佐ヶ谷南口のパールセンターという商店街に行ったら、「萌」という旗がずらーっとぶらさがっていて、その光景にすっかり心奪われたものでしたが、あれも「萌」という言葉に対する、二種類の異なるイメージが起こした現象だったと思われます。

 オタク文化の洗礼を受けた身としては、一面の
「萌」「萌」「萌」
という旗がはためく商店街に、非常にシュールなものを感じたのでした…。
これがその旗↓

moe.JPG



 それはさておき。
 かつては同人誌は即売会でしか入手できないものでしたが、今は書店やネット通販など、さまざまな手段で手に入れることが出来ることもあり、より広い層の目にふれる機会がふえています。
いろんな意味で注目されつある「同人誌」。


 変わっていく社会状況のなかで、同人誌のあり方について、さまざまな角度からの議論をするイベントが来月、開かれるそうです。
パネラーのメンバーから行っても、かなり聞き応えのある内容になることは確実だと思われますが、なんと!入場無料だそうです。

 さっそく予定帳にくろぐろと予定を書き込んだわたくしです。


ご興味のある方は、お見逃し・お聴きのがしなく!!



「同人誌と表現を考えるシンポジウム」
主催:「同人誌と表現を考える会」
後援:全国同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合

○日時:5月19日(土)13:30〜開場 〜16:30終演予定
○場所:みらい座いけぶくろ(豊島公会堂) 東京都豊島区東池袋1-19-1
 http://www.toshima-mirai.jp/center/a_koukai/

○申込:事前予約不要(直接会場へおいでください)
○料金:入場無料


○パネラー(順不同・敬称略)
 ・伊藤剛 (マンガ評論家/武蔵野美術大学芸術文化学科講師)
 ・斎藤環 (精神科医)
 ・永山薫 (マンガ評論家)
 ・藤本由香里 (編集者/評論家)
 ・三崎尚人 (ライター/同人誌生活文化総合研究所主宰)
 ・望月克也 (弁護士…松文館裁判弁護人)

 ・武川優 (日本同人誌印刷業組合)
 ・鮎澤慎二郎 ((株)虎の穴)
 ・川島国喜 ((株)メロンブックス)

 ・市川孝一 (コミックマーケット準備会/COMIC1準備会)
 ・坂田文彦 (ガタケット事務局)
 ・武田圭史 (赤ブーブー通信社)
 ・中村公彦 (コミティア実行委員会)



詳しい内容は、こちらをご覧下さい。
http://sokubaikairenrakukai.com/news070330.html
posted by 川原和子 at 15:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 情報

2007年04月19日

『S・A(スペシャルエー)』に関するamazonの見解に説得される(?)

 先週の話で恐縮ですが、4/11の朝日新聞夕刊で、藤本由香里さんの「週刊コミック★ジャック」という連載がスタートしました。
第一回目にとりあげられたのは、菅野文『オトメン(乙男)』(白泉社)です。
『オトメン(乙男)』は、乙女的趣味・思考・特技をもつ乙女な男子・オトメン(乙男)でありながら、それをひたかくしにして男らしくふるまう主人公が恋をして…?というお話。


 『オトメン(乙男)』は私も面白く読んでいたこともあり、興味深く記事を読んだのですが、文中に「男の子のモノローグが前面に出た少女マンガ」の例として『S・A(スペシャルエー)』というマンガが挙げられていました。


恥ずかしながら、このマンガ、未読であったわたくし。
へぇ〜そんな少女マンガが!とさっそく「S・A」でamazonで検索したら、……なんと、結果は…14019件もヒット。
お、多過ぎです!!



気を取り直して、こんどは「スペシャルエー」とカタカナでいれてみたら…


なぜか…トップに、 藤子不二雄A先生の、

『愛…しりそめし頃に…満賀道雄の青春』の4巻が。


あ、amazonさん……!!
それって、amazonさん的な見解は、「スペシャルエー」といえば、

藤子不二雄A先生のことだと言うのか…!?



…と、少女マンガが出てくると思ったら藤子不二雄A先生が出てきた、という衝撃に、思わずトミノ台詞になったわたくし。


しかしamazonにきっぱりそう言いきられると、

「たしかに…スペシャルエーといえば、藤子A先生のことなのかも…」

…などと、だんだんそう思えてきました(←?)。


それはともかく、「S・A」で検索した場合、
左サイドの「カテゴリーで絞り込む」で「コミック・アニメ・BL」を選び、
さらに「少女コミック」で絞ると92件になってトップに「S・A 9巻」が出てくるよ!
…と教えて頂きました。


…あっ、ホントだ!!


そんなわけで、意外にもアクセスに苦労した『S・A』だったのでした。
こちら↓にも、2巻へのリンクをはっておきます。
(1巻は画像がなくてなんだかさびしかったので、2巻をば)



★追記(4/20)。
漫画評論家・永山薫さん、ライター・エディターの浅野安由さんのブログで『オトメン(乙男)』にふれているものがありましたので、貼らせて頂きます。

●永山薫さんのブログ「9月11日に生まれて」
http://d.hatena.ne.jp/pecorin911/20070414/

●浅野安由さんのブログ「vivement mercredi! 」
http://d.hatena.ne.jp/ayuasano/20070121
posted by 川原和子 at 00:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 少女マンガ

2007年04月17日

「手塚治虫オンデマンドマガジン」サービス

 「手塚治虫漫画全集」の作品1200エピソードを対象に、好きな作品をエピソード単位で選択して、
自分だけの1冊の単行本を作ることができるサービスが昨日・4月16日から始まったそうです。

「手塚治虫オンデマンドマガジン」は、「手塚治虫漫画全集」の作品1200エピソードを対象に、好きな作品をエピソード単位で選択して自分だけの1冊の単行本を作ることができるサービスです(オーブン時は「ブラック・ジャック」や短編作品など433編。エピソードは順次追加され、「手塚治虫漫画全集」未収録作品も追加予定<既単行本化作品のみ>)。200文字までのメッセージを自由に裏表紙に記載でき、1冊からのご注文でご指定の場所へお届けいたしますので、プレゼントにもご活用いただけます。


とのこと。



 わたくしがティーンの頃は、自分で好きな曲を編集したテープを作って友達にあげたりとかしてましたが、…なんと、あれの、手塚マンガ版ができる、ということですね。
「200文字までのメッセージを自由に裏表紙に記載でき」る、というのも、面白いなあ。


どんな作品を収録しても、180〜220ページ(本文174〜214ページ)内で、一律で1冊1365円(税込み、送料別)。
1冊から注文が可能らしいので、マンガ好きの知人・友人へのちょっと変わったプレゼントとして、

「俺チョイス・手塚本」、いいかも。



 ちなみに私は「浦沢直樹セレクション」(こちらも同じく、1365円)が気になっております…。
http://www.comicpark.net/tezuka/list/selection.htm



★オープン記念として、「手塚治虫オンデマンドマガジン」の433エピソードを解説したガイドブック「Indexマガジン」(非売品)
を、注文者の先着200名にプレゼント、とのことなので、ご興味のある方はお早めにドゾー。



●詳しい内容は、こちら↓を。
「手塚治虫オンデマンドマガジン」
http://tezuka.comicpark.net/


●手塚先生の動画(キャラではなく、ご本人!て、手塚先生――――!!!)が見られるサイト入り口
http://tezukaosamumagazine.jp/
posted by 川原和子 at 14:06| Comment(0) | TrackBack(1) | 情報

2007年04月14日

笑いのツボ

 日々、頼まれもしないのに果てしなきマンガ(読み)道を歩み続けるわたくしですが、つれあいは私ほどマンガ好きではないので、たまにしかマンガを読みません。
しかし、何作かはお気に入りマンガがあるようです。



 先日、つれあいがニコニコしながらマンガを読んでいたので何?とのぞいてみると、増田こうすけ『ギャグマンガ日和』(集英社)でした。
うん、たしかに『ギャグマンガ日和』、面白いよね、と思いつつ別のことをしていたら、わはは、と笑い声が。


「えっ、なになに?どこが面白かったの?」

と思わず尋ねたところ、夫の答えは、


「この、聖徳太子が投げて割れた湯のみの破片が自分にささるときの、

『ジブリ』

って効果音と、ささった聖徳太子が

『はやお――――――!!』

って叫ぶところ」


とのことでした。







……………へぇ……………そこなんだ…………………。



………いえ、面白いですよ?
面白いですけど…………。



………なんとなく、夫との距離を感じた瞬間でした。


ちなみに4巻55ページです。
ギャグマンガ日和―増田こうすけ劇場 (巻の4)
増田 こうすけ
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※追記。(4/15)
「え?その部分、面白いのでは?」
「ダメ?」
というお言葉を、数名の方からいただきました。



いえ………もちろん面白いんですけど……

きら星の如きギャグの数々の中から、よりにもよって、

「ジブリ」
「はやお――――!!」

なのかよ!!
そこかよ!!

…という、なんともいえない脱力感が………。



とはいえ、現在我が家ではなぜか自然に、どちらかが

「ジブリ」

とつぶやくと、もう一名がすかさず

「はやお――――!!」

と叫ぶ、というルール(?)ができました……。
すいません(←誰に対してかわからないがなんとなく謝る)。
posted by 川原和子 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 夫よ…!!

2007年04月12日

あたしは胸のおまけなの?〜胸の大きい女の子のお話。

 言葉は、難しい。
人によって感じ方が違うので。


 ところで私は、女の人の大きな胸を表現する「巨乳」という言葉が、実はけっこう嫌いじゃないです。

 おそらくは男性誌から出てきた言葉じゃないかと思うんですが、なんというんでしょうか、性的な視線を元に出てきたと思われる言葉にも関わらず、

「大きい乳だから、巨乳」

というあまりにそのまんまで即物的な表記が、たとえば昔の「ボイン」(死後)みたいな言葉から感じられた「スケベオヤジのニヤニヤ笑い」的ニュアンスを、はからずも取り除いちゃってるような気がするのです。
「大きいですけど、それが何か?」
って感じすらして、いっそすがすがしいというか。


…とはいえ、それはあくまで私の個人的な感じ方。
違うとらえ方のほうが一般的な気もします。
不愉快に感じられたら、ひらに御容赦を。



さて、最近、「巨乳」の女の子が出てくる少女マンガを読みました。
でも、このヒロインのおかれてる境遇は、あんまりさばさばとしたものではないみたいです。

その作品は、コレ。
八田鮎子『ひよこロマンチカ★』(集英社)所収の「スイカジュース」。
(今回は、ネタバレありです。すいません)
ひよこロマンチカ★
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男の子にモテモテの女子高生・水華(すいか)。
でも、モテてもぜんぜん嬉しくない。
それは、あからさまに、彼らの目線が自分の「胸」(Fカップ!)だけにむけられてるから。
モテてるのは、あたしじゃなくて、この胸、と思うスイカ。
そんなある日、写真が趣味の上級生男子・福谷から、「生きた芸術」と絶賛され、「ぜひモデルになって欲しい」と言われます。
喜んで承諾するスイカは、いつも憎まれ口をたたき合うクラスメートの男子・大同から、なんでOKしたのかと尋ねられ、口には出せずにこう思います。


うれしかったんだもん 男の人が
「あたし」のこと そんな風に言ってくれたなんて
自分は胸のおまけだっておもいはじめてたから



ところが、先輩がHPに公開したスイカの写真が、予想外の騒ぎをまきおこしていくのでした。


★★★★★
 3月2日のエントリ「マンガ同人誌 解釈共同体のポリティクス」
http://mangalove.seesaa.net/archives/20070302-1.html
において、私は金田淳子氏の同論考で感銘を受けた一部分を引用しました。
それは、こんな文章でした。


> やおい論のなかには、やおいを性からの逃避、あるいは
> 女性嫌悪とみなすものがあった。しかし厳密にみれば、
> やおいにおいて回避されているのは、性や女らしさでは
> なく、女性を性的対象としてみる(性的対象としてしか
> みない)まなざしではないだろうか。(p.177)


女性を性的対象としてみる(性的対象としてしかみない)まなざし。
それはまさしく、この「スイカジュース」のなかで、スイカが浴びているまなざしのことではないかと思います。


★★★
結局はバストの大きさをウリにした写真を公開され、周囲からもひやかしや好奇の目で見られ、スイカは

「やっぱり男にとってあたしは胸のおまけでしかないんだ」

と傷つきます。
でも、スイカの写真のおかげで進路が開けた、と喜ぶ福谷を目の前にすると、スイカはつい、笑顔でお祝いの言葉を口にしてしまう。
しかし、その場でスイカのかわりに怒ってくれたのは、ケンカ友達の硬派男子・大同でした。
写真を撮った福谷の胸倉をつかんで、大同は言います。


「他がどんだけ喜んでもなぁ
撮られた本人は傷ついてんだよ
そんな写真なんてクソだからな!!」


と。
★★★
 本人の思惑とは無関係に、性的な視線で見られてしまうことにひそかに傷ついていたスイカ。
そんな彼女の内面をわかってくれ、うまく怒れなくて作り笑いをするスイカのかわりに怒り、かばってくれた大同。


 王道と言えばとっても王道なお話です。
でも、今の高校生の女の子は、たとえば私が高校生だった20年前(!!)よりずっと、「性的な視線」を浴びることがトーゼンのようになっていることを考えると、ああこんなふうにかばってくれる男の子がいたら、本当にいいなぁ、とっても救われるよなぁ…と思いました。


★★★
 大塚英志氏は、「『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代」(ちくま文庫)で、70年代に『りぼん』で人気があった「乙女ちっくまんが」の恋愛観について、

「恋愛の成就が単に「好き」という告白に対しイエスと答えることではなく、誰にも理解されない私の内側を理解してくれることである、という乙女ちっく派に共通とも言える恋愛観」
(p.132)

というふうに指摘されています。
恋愛の成就は、誰にも理解されない私の内側を理解してくれること。
そんな恋愛観が、30年後のこの作品にも息づいてるんだなぁ…とも、しみじみと感じました。



 ちなみに、単行本の表題作である「ひよこロマンチカ★」は、
学校ではお笑い担当だけど実は隠れ乙女っ子の日和(ヒヨ)が、
モテ男子なのに「運命の相手との恋」を信じる乙女な恋愛観をもつ内藤と、
奇妙な「運命の出会い」をしてしまって…!?というお話。

いまふうののびのびした絵柄で、古式ゆかしき(?)少女マンガのテイストをちりばめつつ、またときにはそのことをギャグにしつつ、「少女マンガらしい」作品になってます。
そういえば、いつかたったひとりの人と運命の恋に落ちることを夢見てるモテ男子・内藤くんも、広い意味での「乙女系男子」かも。


『ひよこロマンチカ★』、作者の八田さんの初コミックスです。
posted by 川原和子 at 01:08| Comment(7) | TrackBack(1) | 少女マンガ

2007年04月10日

最近、ぐっときた(BLの)オビ

 今週の『週刊アスキー』の女子ページ、「キュン死に寸前!」。
BL(ボーイズラブ)のオビについてのお話でありました。

オビってあの、本に巻いてある、あおり文句が印刷されたり推薦文が書かれたりしているアレです。
オビ、楽しいですよね。
本を選ぶときの参考になるし、けっこうオビにひかれて買っちゃったりします。



 わたくしが最近一番ぐっときたBLのオビのあおり文句は、


「いいかクソガキ 戻れねぇ年なんだ」


でした。
ちなみに『くいもの処 明楽(あきら)』(ヤマシタトモコ 東京漫画社)のオビ。
くいもの処明楽

居酒屋『くいもの処 明楽』の店長、明楽(32)はある日、バイト店員の鳥原(26)にマジ告白され動揺。
店長とバイト。男同士。32歳と26歳。
男同士の6歳差はデカい。
鳥原の告白を「ガキのたわごと」とかわそうとする明楽と、動じない鳥原。
二人の関係はどうなる?…というお話。


地味めの表紙で、内容も大きな事件が起こるわけではないのですが、とても面白かったです。
ヤマシタさんは、会話がうまいなぁ。
キャラクターに日常の言葉で気持ちを語らせるので、するりと世界に入っていけます。

あと、この本に収録されたかきおろし短編「リバーサイド・ムーンライト」はなんと、イケメン(27)が太めの年上同僚(30…だが、見た目38くらいのクマさんタイプ)に恋してしまう、というお話。
たった8ページの作品ですが、うーん、美形同士が暗黙のお約束のBLで、これってけっこう新機軸では??
と新鮮でした。


ヤマシタトモコさん、これが初コミックスだそう(←オビ情報)。
今後が楽しみです!



…それにしても、この「明楽」シリーズ、それぞれテーマ別の本に載ったようですが(「年の差カタログ」「制服カタログ」など)、第4話の掲載誌はなんと、「オヤジカタログ」
オヤジ…って、32歳ですか。
…私より…全然年下です。
いえ、わかっちゃいるんですけど…なんとなく……うなだれ気味になりました。
でも、30オーバーの主人公のセリフだからこそオビにぐっときたわけで、
問題なしです!!(←?)
posted by 川原和子 at 22:27| Comment(2) | TrackBack(0) | BL

2007年04月07日

実にどうでもいいことですが

 今朝、夫が、

「高等遊牧民になりたい…」

とつぶやいていました。



………夫婦といえど相手の胸の内まではわかりませんが、おそらくあなたのなりたいものは、

高等遊民

じゃないかと思うんですが……。


高等遊牧民。
…日本では……難しいかナ……。
ニュージーランドあたりでなんとか。

でも高等って一体、どんな遊牧民??




高等遊民
Wikipediaによると、漱石先生の造語だそうです。ストレイシープ。
posted by 川原和子 at 21:04| Comment(6) | TrackBack(0) | 夫よ…!!

藤田香織『だらしな脱出できるかな日記』スタート!

 おおっ、Webマガジン幻冬舎にて、4月1日号から、藤田香織さんの『だらしな脱出できるかな日記』がスタートしたのですね!!
不覚にも、今日気がつきました。


 書評家の藤田さんの、自称「だらしな生活」を赤裸々に綴ったこの日記シリーズ。
Webマガジン幻冬舎にて連載されていたころから愛読しておりました。
大事件が起こるわけではないのに、文章のうまさにぐいぐい読まされてしまう、すごい日記。
単行本にもまとまっています。


 藤田さんは、書評のお仕事の方も、本のチョイスが鋭く文章も魅力的(三浦しをんのことを、かなり初期から推しておられた目利き)。
そういえば『失踪日記』が大ヒットした吾妻ひでおの『うつうつひでお日記』(角川書店)にも、藤田さんの書評を参考にしてる、という描写が出てきて、藤田さんのひそかな一ファンとして、なんか嬉しかったりしました。
 ご自分では、マンガが特に好き、というわけでもない、といつか書かれていましたが、いやいやマンガ読みとしてもかなりなものだと推察しております(量的にもかなり読んでおられると思う)。



だらしな、とおっしゃるけど、とてもマメに自炊されているなー、と料理大の苦手の私は、いつも感心してしまいます。
長らく中断していたのですが、再開!と知ってほくほく読みました。
今回の内容では、「パスモ」のカスタマイズ(?)話に唸りました。
私も、買いたてパスモに、やってみようかな……。

posted by 川原和子 at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2007年04月05日

京都の商店街を腐女子が救う?


というのが、トップページのタイトル。
そんなニュースが。


となりの801ちゃん:京都の商店街のマスコットが“腐女子”に? 思わぬまちおこし
(毎日新聞ニュースサイト「MNS毎日インタラクティブ」)




おお……まちおこし……ですか……。


『となりの801ちゃん』は、面白かったです。

posted by 川原和子 at 21:57| Comment(0) | TrackBack(1) | BL

ショッカー幹部パーティワインセット

http://lalabitmarket.channel.or.jp/site/feature/shocker_wine.html

…実に微妙な価格設定です。


中野貴雄監督のたかおのにっき(3月22日)で知りました。
posted by 川原和子 at 00:15| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記

2007年04月04日

【また長文】本田透氏の「逆向きのダンディズム」とオタク男子の生きにくさ

昨日のエントリ(【長文】目に見えないのに確実にある「フツーの枠(わく)」)では、よしながふみ×三浦しをん対談にかこつけて、いろいろと自説を語ってしまったわけですが、なんだかまるで、
「女の人は、男の人に比べて生きにくい」
と主張してるように感じられた方もいらっしゃるかもしれません。


 でも実は、個人的には、そう思っているわけでもないのです。
「男の人と女の人は、違う生きにくさをもってるなあ」と思っていて、ある意味では、(特に若い)男の人のたいへんさってすごいものがあるんじゃないかな、と感じています。



よしながふみさんは、『小説ウィングス』2006年冬号でも三浦しをんさんと対談されていて、ここでも、

●男の人の抑圧ポイントは、大きく言うと「妻と家族を養っていける立派な男の人になりなさい」という一つ。
だから、男の人は、固まって共闘できる。

●でも、女の人は抑圧のポイントがみんな違うから、一人ひとりが辛い部分が違うので、共感できない部分があると思う。

という意味のことを指摘されていました。


 この指摘を読んだ当時は目からウロコで、思わず膝を打ちました。
そうか!!
だから、女の人の「萌え」も、一様には語れなくてバラけてしまうのねーと。


★★★
 じゃあ、男の人の抑圧ポイントは一つだから、男の人は生きていくのが楽で、幸せなのか?
というと、けっしてそんなことはないんじゃないかな、と私には思えます。
少なくとも、特に私と同世代以降(現在の30代以下)の男性は、なかなか大変なんじゃないかなぁ、と。



そう思うに至った大きなキッカケの一つが、一昨年出た、『電波男』(三才ブックス)という本でした。
この本で、著者の本田透さんは、

「心優しきオタクの俺をキモいと差別する女どもめ!」
「おまえら現実の女に用はない!」
「おまえらなんか萌えないゴミだ!」
「俺は二次元の女の子と、脳内恋愛する!」

というすさまじい逆ギレ宣言をされていました。

…と言っても、罵倒する言葉もいちいち、
「てめぇの乳は、何カップだー!?」
南斗水鳥拳のレイのセリフのパロディだったりと芸が細かいので、オタク女子である私なんかはわははとウケつつ、(男性ではないにもかかわらず)かなり本田さんに共感しながら読んでしまいました。


 本田さんはたしかに、本の中で現実の女に対する怨念を叫んでいるのですが、でもそれに至る経緯をも読み物として面白く脚色しつつも、かなり赤裸々に激白しておられます。
その受けた痛手のすさまじさや、あたかもその痛みをバネにするかのようにキレてみせる姿には、

「怒りを表現するときにもし相手を傷付けてしまうとしたら、
俺は自分の方をもっともっと傷付ける!!」


とでも言いたげな、屈折した優しさというか、目的なき(あるけど)自爆テロというか……
理屈は通ってないような気もするけれど、ある種の美学を感じるというか、いわば

「逆向きのダンディズム」

とでもいうべき部分を感じて、その筆力に笑わされながらも、

「ああ、同世代のオタクの男の人は、こんなに傷ついてきたんだなあ…」

と思わず(勝手に)胸が痛くなったのでした。


★★★
 そういえば去年の3月に、ロフトプラスワンで、切通理作・本田透両氏のトークショーが行われたのですが、ここで会場のお客さんから、

「本田さんはご自分でおっしゃるほどキモくないと思うんですが、どうして自分をキモい、とおっしゃるんですか?」

というような質問が出たとき、本田さんはこう答えられた、と記憶しています。

「お前はキモい、お前はキモい、と何年も何年もずっと言われ続けてきたからです」
「人は、(お前はこうだ、と)言われたものになっていくんです」



この言葉を、折に触れて思い出します。

「人は、(お前はこうだ、と)言われたものになっていくんです」

という言葉。

忘れられません。
本当にそうだな、と思うので。



★★★
 現代は、地域社会とのつながりが希薄化し、マスメディアというもう一つの「世間」の声が相対的に大きくなっているように感じられます。
そのマスメディアによって、少なくともここ20年くらい、比喩的に言うと、若い男の子たち(特に、オタク男子)は、

「(お前は)ダメだ、ダメだ」

と言われ続けているような状況なんじゃないかと思います。
連続幼女殺害事件に端を発する、ちゃんと検証もされていない、根拠の薄い、でも執拗なオタク男子へのバッシング。
それによって静かに、でも深く、オタク男子は傷ついていたのではないかと。
っていうか、私がオタク男子なら傷つきます(←と、無駄にオタク特有の想像力を発揮)。


マスメディアを経由して「オタクは犯罪者予備軍」とか「オタク、キモい」というイメージを共有した「世間」から、ずーっと10数年間、そういう風に「みなされる」「まなざされ続け」れば、そりゃあ逆ギレして「俺たちが何したっていうんだ!ふざけるな!」「もう三次元の女に用はない!」「俺は二次元の美少女と脳内恋愛する!」と言いたくもなるわなぁ、と思います。
当たり前だよ、と。


たとえオタク男子じゃなくったって、なにげなく雑誌や新聞を見たって、

「いま、日本の若い男性が元気!」

みたいな記事なんて、ほとんど見たことない。
今や「もう一つの世間」であるマスメディアでは、若い男性がとりあげられることはとても少なく、とりあげられるとしたらネガティブな要素のことが多いように思うのです。


女の人は、消費のターゲットとして認知されているから、
「女性に人気の●●」
というのは商品やスポット紹介の枕詞になるし、それなりに注目もされている。
消費の「お客さま」として注目されることがホントに大事にされてることになるのかはともかくとして、まあそういう形で、女の人はなんとなく、メディアではおおっぴらに叩かれることは少なくなっています。


 それと、社会構造の変化や、なんといっても昔のような「右肩あがりの経済の成長」がなくなっているのも、若い男性にとっては、厳しい状況でしょう。
ただ会社に勤めていれば基本的にお給料が上がり一生安泰、という時代ではもうなくなってしまった。
多くの男性にとっては未来に希望がもちにくいだろうし、結婚に関して(経済的な理由で)、意欲的になれない人も多いんじゃないかと思います。


なんというか、全般的に若い男性が、「俺もなかなかよくやってるよな」って、希望をもてるような要素が、あまりにも少ないんじゃないかと思う。
ロバート・B・パーカーの『初秋』という小説に出てくる「(自分自身に対する)ある程度の誇り」という言葉で示されるようなもの。
妄想的な全能感とかじゃなくて、現実に結びついた、妥当な、身体化された自己肯定感、とでもいうようなもの。

それがなくては、人は生きていくのがとても大変なんじゃないだろうか。


★★★
なんだか気持ちが先走りすぎて、ひょっとしたらうまく言えてないかもしれないけど、
私が興味があるのは、
「男と女、どっちが悪い合戦」とか、「どっちが大変競争」ではなくて、
いまのこの世の中で、男の人と女の人が、どうすればいい関係になれるのか、
どうすれば幸せになれるのか、
ということです。


一つ、なにかヒントになるのでは、と思っているのは、人間関係における『育てる力』というものについて。

「人は、(お前はこうだ、と)言われたものになっていくんです」という言葉は逆に、肯定的なメッセージを送られ続ければ、そこに応えて成長していける部分もある、ということになるだろう。
少なくとも、そこで気持ちが安定する、ということではあるんじゃないだろうか。

そういう力をもつことが、生きやすくなるための大きな何かになるんじゃないかな。


もちろん、妄想的に、能力や条件を無視して「あなたってルックスよくて頭もキレる、凄くステキな人ね」とか言われた日にゃあ、
「バ、バ、バ、バカにしてんのかぁ――!!」
と逆ギレしたくなるわけですが、そういうことではなくて、存在丸ごとをまずは肯定して、しかし同時に抱きしめすぎない、そういう力。


本来、家族というのは、そういう機能をもったものだったんじゃないだろうか。
すべての家族がそうだ、というのではなくて、人は、血縁でそれができなければ、違う関係の中(たとえば友人とか)でそういう存在を見つけていってたんじゃないだろうか。

そういう存在なしに、「自分の外側は、いきなり『世間』」という状態っていうのは、やっぱり人にとっては、ずいぶんと厳しいんじゃないかなあ。


基本的に、私たちの生活は、昔よりずっと豊かになっているような気がする。
でも、精神的に、「自分のことだけでいっぱいいいっぱい」、という人は、昔よりなんか増えている感じがする。
その状態には、「育てる力」は介在しない。


たぶん、その一見無駄にさえ見える「育てる力」が、私には、人を幸せにするためにとても大事なものなのだと思えるのだけど。
★★★
いささか漠然としていますが、そんなことを考えています。

posted by 川原和子 at 01:10| Comment(3) | TrackBack(1) | 日記

2007年04月03日

【長文】目に見えないのに確実にある「フツーの枠(わく)」

 男の人はね、お前は早く一人前になって金を稼いで妻子を養えといわれる、それ以外の抑圧ってないんですよ。一本道なんです。
(中略)
でも女の人は、親から受ける抑圧でさえ一本道ではない。おしゃれにあまりにも興味がないとどうしたのかと言われ、あまりにおしゃれにとち狂っているともうちょっとなんとかしろと言われ。途中までは勉強しろと言うものの、東大にまでは行かなくていいと言われたり。

親と親戚の人が言うことが違っていたりするし、周囲の言うことを全部聞いていると、女の子は頭がおかしくなっちゃうんですよ。どうしたらいいのかわからくなってしまう。

だから、女の子は人によって萌えポイント、つまり抑圧のポイントがみんな違うんですよね。抑圧ポイントがたくさんあるからこそ、女の子はものを考える機会がたくさんあるんだと思います。

よしながふみ×三浦しをんロング・ロング対談 『マンガ・エロティクスf』44号(p.132)



 うーん、よしながふみさんの対談は、どれも必ず発見や刺激があって読むのが楽しみなのですが、いま発売中の『マンガ・エロティクスf』44号の三浦しをんさんとの対談も、やっぱり面白い。


 上↑に引用した部分を読んで、「あー、そうなんですよねー」と思った。


女の人には、ある一定の年齢以上になると、どーも「異性に愛される」という暗黙の、とても重要な仕事が課せられるみたいッス。

男の人にとっては、できればできるほどほめられ、認められる社会的な「仕事」も、女の人の場合は、なにかが(たとえば勉強が、仕事が)「できすぎる」と、「異性に愛される」という重要な「暗黙のお仕事」と、しばしば衝突し、矛盾してしまう。
たとえ仕事ができても、恋人とかパートナーのいない女の人は、

「でも女としてはなにか足りない」

って自問したり、

「女として幸せじゃないよね」

と言われてしまったりする。
これが男の人で、ばりばり仕事をして評価され、たくさんお金をかせいでいたら、

「でも男として何か足りない、男として幸せじゃない」

なんて、自問しないんじゃないかな、と思います。
男にとっては、「仕事ができる」ことはストレートに「魅力」として異性に認められるプラスポイントになると思います。
そこは、男女が非対称な部分じゃないかな、と。



女の人に出されるメッセージって、ざっくり言うと、

「勝ちすぎないように勝ちなさい」

っていうなんだかムズカシーもののように感じます。
キレイに、おしゃれに、お仕事もできるようになりなさい。
でも、男の人をひかせない程度にね。
もちろん、まわりにも嫌われないように。

言語化すると、そんなかんじ。

ムズカシーですよね。コレ。
めんどくさいというか。



よしながさんは、

 女の子がいわゆる女の子としてのスタンダードな道を行くというのは、男の子の比じゃないくらい困難なんですよ、実は。そこそこにいい学校に行って、そこそこにいい会社へ入って、そこそこにいい男を見つけて、そこそこの時期に退職して子どもを生んで、というのは実はとても難しい。
(同対談p.133)



とおっしゃってますが、激しく同意、です。
なんだか……なんというか、女の人は、「周りとの関係で決めなくちゃいけないこと」が、とっても多い気がします。
うっかり周りの空気を読まずに自分の思う通りにふるまうと、たちまち「フツーの枠」からはみ出してしまう。
「フツーの枠」を守ることも、女の人が生きる上で、とっても(もしかしたらもっとも)大事な、お作法。
これを守るのはメンドくさいんだけど、守らないと周囲と軋轢が起こってもっと大変なので、なるべく守るわけです。
生きる知恵として。
なんかねー、枠が、目に見えないのに確実にある枠が、何重にもまわりをとりかこんでる。
そんなかんじです。


なんとなく形成されている「フツーの枠」を読みながら、そこから逸脱しないように注意深く、やりたいことをやっていく。
たぶん、それが女子のスタンダードなあり方なんだと思います。


よしながさんの発言を読むと、
あーよしながさんたら、そんなホントのことを言っちゃってもう!!
と思ってしまいます(笑)。
いえ、もちろん言ってくださって、嬉しいんですけど。

★★★★★

それでも。
それでも、日本の女の人は、少しづつでも、生きやすくなっていってる、と思いたいです。


少なくとも、
「女は若くなきゃ価値がない」
「女は若い方がエライ」
っていう価値観を、おおっぴらに言うのはマズいことだ、という認識が、たとえば30年前よりずっと広まったこと。
たとえそう言う声が小さくなっただけで、消えてるわけでは全然ないとしても。
「それはマズい発言」だという認識がある程度共有されただけでも、とても大事で、尊いことだと思うので。


最近、文章やテレビで、30年くらい前の女の人が結婚して早々に仕事を辞めていたのは、「女は20代で結婚して子どもを産むのが幸せ」っていう強い風潮があったからだけではなくて、実際に女子早期定年制度がある会社もあった(!!)、そしてその「女子の定年」は35才とかだった(!!!)と知って、驚愕しました。

えええええ!!

いや、無知をさらすようで恐縮です。
でも、知りませんでした。
すごいなぁそれ(もちろん、すべての会社じゃないでしょうが)。
それにしても、それって本当に本当に、女の人は結婚しないと「社会に居場所がなかった」ってことですよね。
そりゃ結婚するわ。


いまの社会には、表向き、さすがにそこまでの露骨な男女差別はないけれど、でもある意味では男女問わず、
「若い方がエライ」
という風潮は、どんどん強まっているように感じます。


新しいテクノロジーやメディア(パソコンとか)がどんどん登場する社会は、その新しいしくみに順応する力が大事になってくる。
となれば、トーゼン、基本的には、それは若く柔軟な人の方にかなり有利になるわけです。
それは「経験」があまり意味をもたない社会になるだろうし、新たな課題が日々生まれてくる社会でもあります。
たとえば、いま育児をする人には「子どもに何歳からケータイをもたせるか」なんて、我々の子供時代にはなかった悩みも出てくるわけです。
その問題に対しては、親世代の育児経験は、直接的には役に立たなくなってしまう。
便利さが増えたぶん、問題も、複雑化しているなぁと思います。


★★★
そして、外見の若さを重んじる風潮も強まりました。
「アンチ・エイジング」という言葉も、さまざまなところで見かけるし、「若く見える」というのは世代を問わないホメ言葉です。


そのこと自体はもう止めようのない流れだと思うし、すべてマズいと思っているわけでもないのです。


ただ、かつて当たり前のように言われていた(共有されていた)

「女は若くなきゃ価値がない」

という価値観って、いま改めて考えてみると、すごい考え方だ、と思います。
だって、それはつまり、

「日一日と、あなたは生きていくことで、どんどん価値のない人になっていってるんですよ

て言われてるってことで、
生きていく上で万人が通る「としをとる」こと、
つまり、
生きることそのものを、まったく祝福されていない、ってことです。


ひ、酷い。



でも
「そんなの酷い!」
って正面から怒ることも、女の人は(特に、少なくとも1970年前後生まれ以降は)あまりしない人が多いように感じます。
私も、なるべくしたくない。
人生はなるべく機嫌よく生きたいし、それに、そんなこと言い出したらしょっちゅう怒ってなくちゃいけないから。
卑怯かもしれないけど、自分を自分で守ることが必要だから。
でも一番の理由はひょっとすると、
「酷い」って怒ること自体が、<「フツーの枠」からはみ出る>こと
だからかも。

<「フツーの枠」からはみ出る>ことこそが、日本で女の人が生きていくうえで囲まれる何重もの「見えない枠」のなかで、「おかすと生きにくくなる、最大のルール」なのかもしれないなあ、と思います。


★★★
ただ、よのなかがどんどん、「若さ至上主義」っぽくなっていくことは、結果としてすべての人を生きにくくしてしまうのかも、とも思います。
だって、繰り返しになるけれど、としをとらない人はいない。
誕生日が訪れるたび、ひとつとしをとること。
それは、すべての人間に平等に訪れる現象なのだから。

それを基本的に肯定して祝福できない社会って、やっぱりかなり厳しいよなぁ、と思うのです。



なんか話がズレまくっておりますが、連想で、そんなことを考えたりもした対談でした。


posted by 川原和子 at 00:05| Comment(8) | TrackBack(1) | 日記

2007年04月02日

安野モヨコ『オチビサン』、連載スタート

 下↓で、4月1日から始まったアニメ『グレンラガン』についてアップしましたが、昨日スタートした、といえば、もう一つ。


朝日新聞紙上(生活面)にて、安野モヨコ『オチビサン』の連載がスタートしました。
毎週日曜掲載だそうです。


主人公は、赤白ボーダーの帽子とシャツ+コート姿のオチビサン。
赤いスカーフをした黒い犬・ヨウカンが相棒。…みたいです。

…という記述からおわかりになるかと思いますが、カラーのマンガでした。
シンプルな線のオチビサン、かわいい。

★★★
で、今回「あれっ?」と思ったのが、『オチビサン』、セリフが横書きで、左から右に読む形式なんです。
そのせいか、コマに「読み順」の番号がふられています。

★★★
日本のマンガは、

「セリフの文字は縦書き」「コマは右から左へ」

という読み順がスタンダードです(お近くのマンガ本か雑誌をぱらぱら見ていただければ、おそらく、たいていそうなっているかと思います)。


なのにわざわざ、『オチビサン』では、「左から右へ」という形をとってるのは、どういうことを狙って選択された形式なのかなぁ、と関心をひかれました。


『オチビサン』は新聞の生活面の、他の記事の間に掲載されているマンガだから、読んでいるこちらは記事を読む流れで、無意識に目が

「縦に、右→左に読む」モード(誇張して言うと、読者は「うなづく」かんじで読む)

になっている。
だからよけいに、

「左→右」読みマンガ(=読者は「首を横に振る」かんじで読む)

の登場に、ちょっととまどいつつ、興味をひかれました。


そこらへんも含めて、来週からも、楽しみに注目したいマンガです。
posted by 川原和子 at 08:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 情報

『天元突破グレンラガン』放送開始!

 ガイナックスの新作アニメ、『天元突破グレンラガン』。
4/1から放映開始しましたねー。


 見ました。
おおーっ、「男の子アニメ」だ!!

ひとことで言うと、そういう印象でした。



 地中に暮らす人々の村で、村を広げるためにドリルで穴を掘る内気な少年、シモン。
「地上」の存在を信じない村人と、「地上はある!」と言う破天荒でノーテンキな青年、カミナ。
ある日、地震がおこり、、村の天井をつきやぶって、ロボットが落ちてきて…!?

という導入でした。


暗い地中の(文字通り)閉塞した空間で、鬱屈とか屈折とかもありながら、それでも「天井の向こうにあるなにか」を信じて、そこにむけて飛び出していきたい!!
という無意識の願望を抱いてるシモン。
そんな「男の子テーマ」をストレートに表現してる設定と内容。
そして、キレのいい動き。

うん、これはすごい!
面白いです。


鬱屈、屈折、閉塞。
男の子の置かれてる大変さを描きながら、

「それでも、それを引きちぎって、突破したい!」

っていうやみくもなパワーが伝わってくる、テンションの高さ。
見ていてわくわくしてきました。


第一話のサブタイトルは、「お前のドリルで天を突け!」。
かなり意図的に、
「男の子もいろいろあるけど、でもあえて(前向きな意味で)素朴に、野蛮に!!」
ってアニメなんじゃないかな、と感じました。

「男魂(ダンコン)アニメ誕生!!」ってかんじ。


がんばれ、男の子!!
まだよくわかんないんだけど、そういう気持ちになるアニメでした。


来週以降も楽しみです。
日曜朝8:30。
頑張って起きなきゃ。
posted by 川原和子 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(1) | 情報