NTT出版webマガジンで
伊藤剛さんと交替で連載させていただいている
おすすめマンガ時評
「此れ読まずにナニを読む?」、
わたくしの担当分を更新していただいてます。
http://www.nttpub.co.jp/webnttpub/human/013/16.html
今回は、
くらもちふさこ『駅から5分』(集英社)
をとりあげてます。
★★★
今回の原稿を書いてみて、
しみじみと、
自分が
「マンガエッセイスト」
という、
なんだか耳慣れない肩書きを名乗ることにした理由を
改めて思い出しました。
★★★
基本的には、
人がマンガを語るときは
自分が「出会った」マンガを語ることになります。
当然ですよね。
マンガを語るときは、
「出会った」(=読んだ)マンガを語るのが基本、
だと思います。
でもたとえば、
ある作品や作者と、「出会えなかった」理由。
その理由を、
なるべく他の人に伝わるように語ること。
もちろん、
ちょっと反則っぽい特殊な語り方ではあるけれど、
ある場合には、
そういう語り方も、あるのではないか。
そう語ることで、
似た体験をもつ人が
もしかすると、そっと共感してくれたり、
あるいは、
まったく体験にかぶる部分がない人が読んでも、
「そうなんだ」
「そんなふうに思う人もいたんだな」
と、ちょっとだけでも感じてくれるような文章。
それは、
どうしても主観を離れられない語りになるけれど、
でも、
それを語ることにも、
何かの意味はあるんじゃないか。
そんなふうに考えて、私は、
「マンガエッセイスト」
と名乗っています。
決して
「主観だから、事実と異なっててもいいよね」
というような開き直った意味ではないけれど、
もちろん、
事実はできる限りふまえつつ、
しかし、
体験を含みつつ語ること。
「マンガエッセイスト」というのは、
そんな語り方をする人、という意味として
考えています。
★★★
今回の原稿に出てくる『別マ』(別冊マーガレット)も、
あの当時の実際の『別マ』がどうだったか、
ということ「そのもの」じゃなくて、
「私の心の中の(読んでない)『別マ』」
の話になってしまっていますが、
その
「心の中の『別マ』(的なもの)」
って、いったいどんなものだったのか?ということを、
なんとか、
読んでくださる方に伝わるように書きたい。
そう思って、書きました。
でももちろん、
そんなのは書き手の勝手な都合で、
読み手の方には
そんなの全然斟酌しないで
好きに読んで欲しいです。
「なんの気なしにクリックしたら、
つい引き込まれちゃったぜ」
「つるつる読めたけど、
なんか後に、なんとなーく残ってるものがあった」
…そんな文章が書けるよーになりたいです。
……オッス、精進します!!
★★★
今回の文章は、
「出会えなかった理由」
と、
「出会えた幸福」
についての文章でもありますが、
「出会えた幸福」
の立役者となって下さったたくさんの方々に
心からお礼申し上げます。
『まんがキッチン』の福田里香さんの文章。
ヤマダトモコさんのくらもち論(『COMIC BOX』1998年8月号所収)。
OHP主宰・芝田隆広さんの、『α(アルファ)』に関するご教示。
そして、
ライター・横井周子さんの、くらもち作品の魅力に関する多大なご教示。
その他、
くらもち作品の魅力を熱く語ってくださった、
木村ハルミさんをはじめとする、私の友人のみなさま。
本当に、ありがとうございます。
みなさんのおかげで、
私は、
あのころ「出会えなかった」作家・作品に、
おとなになって「出会えた幸福」を、
ぞんぶんに味わうことができました。
…発表した文章に関していろいろ書くのは
なんとな〜く潔くない気がして
なるべく控えるようにしているのですが、
今回は、
ちょっといろいろ書きたくて、
書いてしまいました。
よろしかったら、今回の文章、
読んでみてください。
勇気を出して、正直に、書いたつもりです。

