ついに発売になりました、かわかずお作品集『パチ漫 2002-2005』(洋泉社 1400円)!!
この『パチ漫』、作者のかわかずお氏が、数々の大物マンガ家たちの生き霊を勝手に憑依させて(?)、絵柄に加え、ストーリーの組み立て方、コマ割合まで似せることを意識して描かれたパロディならぬ“パチ漫”作品集。大西祥平氏による、かわ氏インタビュー、そして長谷邦夫氏による解説つき!!
収録作は『足立のゲン』『カストロ球団』『ビー・バップ ハイティーンズ』『恐怖スポーツ新聞』等々、名作をふまえたパチ漫がめじろおしです。
かつて『映画秘宝』のかわ先生のインタビューを見て興味をひかれていたわたくし(04年2月号)。
また、その後『テレビブロス』で三国志の特集をした際、かわ先生のパチ漫シリーズの一作、『キャバクラ三国志』がとりあげられていました。そこに引用された、かなり横山調の絵柄ながら『キャバクラ中原』という店を舞台に、背広姿の劉備・関羽・ 張飛が「我ら生まれた日は違えどもイク時は同じ日同じ時を願わん」と 乾杯しながら叫んでいる(「桃艶の誓い」だそうで…)カットを見て「よ、読みたい…!!」と居ても立っても居られなくなり、掲載誌の『裏BUBUKA』04年7月号を古本屋にてゲット。周囲の三国志好きの女子達に回覧、ものすごく局地的な『キャバクラ三国志』ブームを地味に巻き起こしたりしていたのであります。
…しかし、今回の作品集には、『キャバクラ三国志』は掲載されておらず、その点は非常に残念です。私の入手した『裏BUBUKA』では、『天下』という名の美キャバ嬢を巡って、劉備が新人キャバ嬢の馬謖(ばしょく)に心変わりしそうになるのを孔明が諫め、そのアドバイスに従った劉備が「泣いて馬謖をチェンジする」といった試練を乗り越え、ついに天下嬢獲りは確実に見えたまさにその時!!
「俺が天下に背こうとも天下が俺に背くことは許さん!!」
と、さっそうと曹操登場!!そして「次号に続く」…ということで、「ぐわー!!つ、続きが読みたい!!」と悶絶していたのでした。しかし、その後『裏BUBUKA』8月号とはめぐり合え
ておりません。うう、これは是非、続刊も出して頂かねば!!そして『キャバクラ三国志』を収録していただかなくては!!
というわけで、是非バンバン売れて続刊が出ますように!という願いを込めて、ご紹介させていただく次第です。
個人的には、「コースをねらえ!」が、原作初期のタッチを非常にうまくとらえておられる部分と、「庖丁人アジ平」の
お母さんが鰺(あじ)
という斬新な設定がツボに入りました。
お母さん、すごい自然に和服着て、アジ平のパパに「とうさんもやめてください」とか言って親子げんか止めにはいってます。アジなのに。
…ところで…この『パチ漫』ですが…実はわたくし、Amazonの在庫が発売日の翌日(!)になくなっているのを見て、あわてて近所の書店に買いに走りました。しかし、在庫がなく、「じゃあ取り寄せて下さい」とお願いしたら、書店の方からは「いま支店にも在庫がなくて、出版社からの取り寄せになりますから、ちょっといつになるかハッキリしませんね。ゴールデン・ウィークもはさみますし…」とのお返事。
しかし早く読みたかった私は、「あ、じゃあ結構です」と取り寄せをお断りし、その日のうちに別の(都会の)本屋で『パチ漫』を入手、堪能いたしました。
まさか、そのことが…悲劇につながるなどとは思いもせずに…。
そして、その数日後、またいつものように地元の書店に行き、欲しい雑誌を手にレジにむかい、会計をすませようと財布を開いたまさにその時のこと。
私の顔を見た書店員の方から、
「あ、『パチ漫』のお客様ですよね!?」
というありえない呼びかけをされたわたくし。
「あの後『パチ漫』、入荷しましたよ!在庫ありますが、いかがでしょうか」
と親切に言ってくださる書店員さんに、
「あ、すいません、もう買っちゃったんですよ…ありがとうございます〜」
と笑顔で弱々しく答える私がレジに載せていたのは…よりにもよって
『麗人』(「ヤバいくらいにアダルト」というステキなコピーが表紙に書かれたボーイズラブ雑誌)
だったのでございます……。
…いったいこれは…なんの罰ゲームでしょうか…?
なんでこんな「地元書店で、よりによって、BL誌を買ってるときに呼びかけられる」なんつー、マンガみたいな体験をしなくてはいけないんでしょうか…。
ちなみにこの翌日、大ファンの西田東さんの新刊『恋をしましょう』を買いに、またもやいそいそと地元書店に行き、会計をしようとしたところ、同じ店員さんから「…同じ本が2冊ですが…よろしいですか?」と遠慮がちに念をおされ、「あ、いいんです」と笑顔で答えながら、またもや無駄に己を印象づけてしまったことに気がつきました(遅い)。
いいんデスよ!!人に貸すために2冊買い。それが…オタク…ですからネ…!!(と心の中で呟く)
…と言いながらも、地元の本屋さんでは、もう顔バレでバッチリ「『パチ漫』のお客様」として認識された上に、日々「『麗人』を買った」とか「同じマンガ2冊買い」とか、あまり認識して欲しくない私に関するデータが次々と、仕事熱心な善意の店員さんの上に上書き保存されてしまったことを思うと、…一刻も早く、懸案の引っ越しを実現せねば!!と追いつめられた気持ちになった次第です。
ううう…(涙)。
大人の主婦の手管で、上手いこと書店員を篭絡し、自分に都合のよい書店に育てていく……めくるめく日々のはじまりじゃないですか。
コメントありがとうございます!
>大人の主婦の手管で、上手いこと書店員を篭絡し、自分に都合のよい書店に育てていく……めくるめく日々のはじまりじゃないですか。
ギョエー!!
「あらちょっと!西田東さんの単行本、揃ってないわよ!?もう…気が利かないわね!」
みたいな感じでしょうか??
どんな手管を使えばそんなことが!?見当もつきません…!!
…というか、とりあえず、マンガは大好きですがマンガみたいな人生はイヤだ、と強く感じた次第です。
実生活で「ギャフン!」とか言いそうになるのはたくさんデス!!
うわ〜ん!!(涙)
>手練手管
高校生のころ、学校そばの小さな書店で「この辺がいまはやってるんですよー」とか言ってたら、一ヶ月くらいで小説棚のほとんどがラノベになったいたという経験が……。当然、都合よく注文しまくって利用しましたが(w
そのお店、卒業後数年していってみたら道をはさんだ別の場所に移転して売場が4倍くらいになってた'`,、('∀`) '`,、
コメントありがとうございます!
>大丈夫、大丈夫、書店さんからすれば「よく買ってくれるイイお客さん」くらいでしょうから。
そ、そーですよね!
なんとな〜く店員さん(男性)の態度が、私に対してちょっぴり脅えているようなのも、きっと気のせいですよね!!(必死)
>高校生のころ、学校そばの小さな書店で「この辺がいまはやってるんですよー」とか言ってたら、一ヶ月くらいで小説棚のほとんどがラノベになったいたという経験が……。
な、なんだってーー!!
…高校生★敏腕営業物語ですか――ッ!!
>そのお店、卒業後数年していってみたら道をはさんだ別の場所に移転して売場が4倍くらいになってた'`,、('∀`) '`,、
むむむ、お店の繁栄の影に、ウエクサさんの入れ知恵ありと見ました!!
ウエクサさんの私利私欲と書店さんの利益ががっちりかみあった、美しいエピソードをありがとうございます…!!
感銘を受けました。
> ないわよ!?もう…気が利かないわね!」
>みたいな感じでしょうか??
そうそう。そうです。
川原さんがそういうと、店長までレジに出てきて、
全員一列に並んで最敬礼で「ご指導、ありあとッ
しタッ!」といわれるのですよ。
>全員一列に並んで最敬礼で「ご指導、ありあとッ
>しタッ!」といわれるのですよ。
…いえ、どちらかというと、むしろそっとしておいて欲しい。
そんな気持ちでいっぱいです…!!
それにしても、やはりほとぼりがさめるまでは、おとなしく女性誌とか買うべきなんでしょうか。
…でも…ダメ、絶対。
そんな人生、ヌケガラだ…ッ!!
できねえ!やっぱり私にはできません!!
店員さんの目を気にしつつも、やっぱりマンガとかマンガとかマンガとかを買わせて頂きます!!