「いつも心に少女マンガ」
第8回「ベルばら」がなしとげた少女マンガ革命
http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2006/11/post_f0a5.html
更新されました。
★★★
そういえばなんだか、私の知る限り、「卑怯」という言葉をつかって憤る男前な人は、ちょっと年上の世代の、女の人ばかりのような気がします。
う〜ん。
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そういえば、学生運動とか、そういった時代背景は今の若い人(!!!この言葉を使う大人にはなりたくないと思ってたけど!!!)にはわからないかもしれませんね。わたしにとって、あの時代のもうひとつのポイントは「高度成長期」ということだと思っています。その時代背景の差がベルばらとオル窓という二作品に大きな影響を与えていると思います。
しかし、まんがという文化は日本独特のものです。十代の頃にまんがという形であのような数々の優れた作品に触れることができたのは非常に貴重な経験だったと思います。
はじめまして。
海外からのコメント、ありがとうございます!
> わたしにとって、あの時代のもうひとつのポイントは「高度成長期」と
> いうことだと思っています。その時代背景の差がベルばらとオル窓とい
> う二作品に大きな影響を与えていると思います。
このご意見、大変興味深く拝読しました。
おお〜、「高度成長期」がポイントですか!
もしさしつかえなければ、「高度成長期」が「ベルばら」「オル窓」にどう影響しているのか、お聞かせ下さるととっても嬉しいです!
時代背景と作品の関係、というのも、とても大事な視点ですよね。
後から読む読者にとっては、そのあたり、想像するしかない部分でもありますが、時代背景を知ることで、より深く作品を楽しめることも多いような気がします。
えりーさんのご意見を伺うのがとても楽しみです!(でも、お忙しいでしょうからご無理のない範囲で、お聞かせ願えるとうれしいです)
示唆に富んだ書き込みを、ありがとうございました。
さっそくのお返事ありがとうございました。
「高度成長期」というわたしの印象は、多分に主観的なもので、うまく説明できるかどうかよくわからないのですが、一言で言えば、「ベルばら」は非常に明るい作品であり、その明るさは、社会が前進を信じて疑わなかった時代の反映であると思うからです。
主要登場人物が全部死んでしまう作品のどこが明るいんだと言われるかもしれませんが、オスカルやアンドレの死には、「オル窓」のような「不条理性」を感じさせません。アンドレは死に際してとくに何も言葉を残していませんが、最愛の女性を守ることができて満足だったでしょうし、オスカルははっきりと悔いのない人生だったと言い切っています。それに引き換え、「オル窓」の登場人物の死は陰鬱なものばかり。暴徒に殺されたり、仲間に見殺しにされたり、そこまで悲惨でなくても、ほとんどの人物が現世に悔いや恨みを残しながら死んでおり、この人たち、皆、化けて出るんじゃないかと思ってしまいます。(その中で多少なりとも明るさがあるのはイザークに子供を託して死んでいくロベルタだと思っていますが、これはここの本筋ではないので、これ以上つっこまないことにします。)
死に際の比較、というなんだか暗い話題になってしまいましたが、わたしが「ベルばら」に感じる明るさ、というのを具体的に表す一例だと考えてください。(あと、らぶらぶ期間は長けりゃいいってもんじゃない、というディスカッションもできるのですが、長くなりそうなのでやめておきます。)
「高度成長期」はわたしにとっては小学校低学年までですので、系統立ててお話できるような記憶はあまりないのですが、それでも家の前の道が砂利道からアスファルト舗装に変わったこと、家のトイレが水洗になったこと、サラリーマンの父がはじめて出張でヨーロッパに行ったことなど、ほんの数年の間に起こった変化は数かぎりありません。これらの日常的な出来事に加えて、もっと重大な社会事象としては、人類月着陸や、大阪万博などがありました。2006年現在と五、六年前を比べて身近に起こった変化といえば、コンピューターの性能が向上したことくらいですから、当時の変化のスピードというのは驚くべきものであったといえると思います。そういった中、子供心に、明日は今日よりももっとすごい、新しいことが起こるんだと漠然と信じていました。
川原さんのコラムにもあったように、池田理代子先生は、マルクスを読み、学生運動にもかかわった方ですから、1970年代前半に、「ベルばら」ではなく、ロシア革命を題材にされていたらどんな作品になっただろうと考えるとちょっと興味があります。「オル窓」とは違った作品になったことは間違いないと思います。もっと明るい作品になったかな。ここでふと思い出したのですが、山岸涼子先生が「アラベスク」第一部を発表されたのはこの頃ですよね。第一部ではソ連の実情を否定するような場面はあまりありませんでしたが、それから数年たって描かれた第二部ではダンサーの亡命まで取り上げられており、時代のうつろいを映しているのだなあと思います。
なんだかまとまりのない文章になりました。言葉で説明しようとするとむずかしいですね。
最近のまんがはよく知らないのですが、古いまんがについて話しはじめると、止まりません。また遊びにきます。
さっそくのお返事、ありがとうございます!感激です。
たいへん興味深く拝読しました。
>「ベルばら」は非常に明るい作品であり、その明るさは、社会が前進
>を信じて疑わなかった時代の反映であると思うからです。
そうですね。
私も、オスカルの「貴族でありながら、革命の理念に共感し、平民の味方につく」生き方自体が、あの時代の日本の若者の生き方(池田先生を含む)や世相とシンクロしていたことはまちがいないと思っています。
えりーさんのおっしゃる、
>明日は今日よりももっとすごい、新しいことが起こるんだと漠然と信じていました。
という部分は、まさにあの時代の空気を言い表しておられるのでは。
そして、いまの40代の方たちにとっては、1970年の大阪万博は、あの時代の「科学の進歩が、輝かしい未来をもたらす」という希望(の思い出)の、象徴となっているのではないでしょうか。
…といっても、私は当時2歳なので、まったく記憶はないので、推測なのですが。
その後は、公害等が社会問題化していって「科学は輝かしい未来をもたらすとは限らない」という空気になっていきますよね。
余談ですが、このあたりは、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」(2001年公開)で非常にうまく描かれていました。
個人的には、いまから振り返ると、60年代後半、そして70年代のはじめは、とてもストレートに、「変革による明るい未来」というものを信じられた時代だったのでは、と私も感じます。
「オル窓」の不条理性には、エリーさんご指摘の時代の変化ももちろん関係していると思いますが、あるいは池田先生の作家的成長(変化)、という面も大きいのかも、とも感じています。
複数の作家が「若いときにしか描けない作品」がある、と語っておられますが、「ベルばら」にもそういう側面があるのではないか、と。
そしてその「熱」が、いまだに新たなファンを獲得する理由なのかも、とも感じます。
>1970年代前半に、「ベルばら」ではなく、ロシア革命を題材にされて
>いたらどんな作品になっただろうと考えるとちょっと興味があります。
これ、面白いですね。
どんな人物が主人公になるのでしょうか。
>山岸涼子先生が「アラベスク」第一部を発表されたのはこの頃ですよね。
えりーさん、お詳しいですね!!(嬉しいです!!)
そう、「アラベスク」は、「ベルばら」より1年早い、1971年から「りぼん」で連載開始です!!
「アラベスク」、お恥ずかしいことに私は大人になって読んだのですが、特にヒロイン・ノンナの設定(「身長が大きすぎる」「だが、未完の大器」)や、ミロノフ先生との関係性にうなりました。
そして周囲には、「少女時代に読んだ『アラベスク』の、ミロノフ先生とノンナの『お互いを高めあう』関係を理想としてしまうと、「普通の恋愛」から遠ざかってしまう、という功罪があったかも…」というなんだか泣き笑いな証言が…(笑)。
嬉しさのあまり、長いレスになってしまってごめんなさい。
コメントありがとうございました!!
ていねいなお返事ありがとうございました。ひとつひとつ、ふむふむと納得しながら、読ませていただきました。
>クレヨンしんちゃん
アメリカではちょうど「クレヨンしんちゃん」に相当するような人気アニメがあります。South Parkといいます。(人気のピークはちょっと過ぎたかな?)日本でも見られるのでしょうか?(もちろん、PTAお墨付きの品の悪さです。)機会があればどうぞ。
>「若いときにしか描けない作品」
外国、とくに欧米が今ほど身近でなかったあの時代に、フランス革命に正面から取り組む、というのは二十代だからこそできた冒険なのかもしれませんね。
これからも、コラム楽しみにしています。
>South Parkといいます。
サウスパーク、大好きです!
映画も見ました!!
あの黒いギャグがたまりません。
>これからも、コラム楽しみにしています。
ありがとうございます。
がんばります!
トラックバックよろしくです。
>トラックバックよろしくです。
実はトラックバックのやりかたがよくわかってない私ですが(お恥ずかしい)、やってみました。
これで大丈夫でしょうか???
ayanaさんのブログからもトラックバックしてくださったんですね。
ありがとうございます!!
「べるばら」は小さい頃ドレスを見て描くのが好きで年上の従兄弟から貰って読んでいました。
最近また買ってみたら話が真面目でビックリしました。以前はアントワネットの話だと思っていたのですけど…。年齢で理解する内容が違うみたいです。
私が今はまっているのは大和名瀬先生と桃季さえ先生と新田祐克先生の「僕の声」かなー。BLばっかりですが、毎週少年サンデー・ジャンプ・マガジンは読んでいるので本来少年漫画が好きなんです。
最近の少女漫画は読まないからアニメのコルダとホスト部しか知りません。こちらは詳しいみたいなのでまた読みに来ますね。
コメントありがとうございます。
「ベルばら」、ホントに読む年齢で感じることが違いますよね〜。
BLお好きとのこと、嬉しいです!
私はそれほど詳しくなくてお恥ずかしいのですが、大和名瀬さんの「ちんつぶ」には腰がくだけて(ホメ言葉)、思わずいろんな人にプレゼントしました(笑)。
新田祐克さんの「僕の声」、未読なのですが読んでみたくなりました!
私は今頃「春を抱いていた」を読んでぶっとんでいる、遅咲き読者であります。
「春抱き」、多少の鬱ならこれ読んでたら治りそう、と思うくらいのスゴい内容(ホメ言葉)で、いや〜ホントにBLってすごい!と感じ入っています。
千羽鶴さん、サンデー・ジャンプ・マガジンを毎週お読みとは…すばらしいですね!
私は雑誌をあんまり読めてないのです(軟弱なマンガ好きでお恥ずかしい)。
少年マンガも大好きなんですが…なにせ、なかなか量についていけません。
お役にたつかどうかわかりませんが、気が向いたらまた見に来てください!