最近の女子高生の会話を電車の中などで聞いたりすると、みんな本当にびっくりするくらい上手に相づちを打つんですよ。いかに相手の神経を逆なでしないですむかにものすごく気を遣っているわけ。そのあたりに疎いと、空気が読めない子ってことで排除されるんじゃないかな。だから、相手を傷付けないように、不愉快にさせないようにって目いっぱい気を遣っているんだと思います。宮廷社交術ですよ、あれ(笑)。
よしながふみインタビュー『ぱふ2007年5月号』(雑草社)p.13(★インタビュー/山本文子)
いまさらにもほどがありますが、木堂椎『りはめより100倍恐ろしい』(角川書店、2006)と、白岩玄『野ブタ。をプロデュース』(河出書房新社、2004)という2冊の小説を、あいついで読みました。
すごいな。
どちらも男子高校生が主人公のお話ですが、……クラスでサバイブするために、ここまで周りに気を遣って生きてるのか。
でも、こんなに気を遣ってたら、それだけでクタクタになって、なにもする気になれないんじゃ、とすら感じて、パワー不足の私は心配になりました……。
★★★
かつて(もう10数年前)、山田詠美の『風葬の教室』を読んだとき、
「そうそう、女子業界って、複数の女子のくすくす笑いで簡単に人を孤立させるから怖いんだよね」
「くすくす笑いによる排除、って、反論のしようのない暴力なんだよねー」
と思ったものでしたが……
もう、「共同体において生き延びることの大変さ」に関しては、男子も女子も変わらなくなってきてるのかも。
あと、男子の方は、「笑い」の技術によって主導権をもつこと、パワーを誇示することが必要なんだな、それもけっこうシンドそうだな、と思ったり。
女子高生の話術を、マンガ家のよしながふみ氏は「宮廷社交術」と呼んでいたけれど、男子ワールドでもそれは進んでいるのかも、と思いました。
男子の、プチお笑い芸人化によるサバイバル。
一見友好的に見える「お前ってこんなキャラ」という「いじり」は、女子のくすくす笑いと同じように、そこからはいあがる/逃走する手段のない、まったくひっかかりのないツルツルしたアリ地獄に落ちたかのような息苦しさと、陰湿さなんだろうな。
そんなことを、すごくリアルに感じさせてくれる小説でした。


風葬の教室 (河出文庫―BUNGEI Collection)
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山田 詠美
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