「川原さんの『貸しますよ』って、新鮮というか、いつも面白いなあと思ってるんだよね。自分は大人になってから、本の貸し借りってしたことがないから、欲しければ買うし。それってマンガファンの間のコミュニケーションなの?」
とのこと。
そう言われてビックリしたのですが、改めて考えてみたら、たしかに私は大人になってからも、友人達とマンガを貸し借りをいっぱいしていることに気がつきました。いえ、一般の本も貸し借りしないわけじゃない けど、その何倍ものマンガを貸し借りしているのです。
なぜだろう…と考えてみたのですが、
@マンガは活字の本に比べて比較的早く読めるので、返却もすぐできるし、貸しやすく返しやすい
A出版されている点数があまりに多いので、ディープなマンガ好きでもすべてを網羅するのは資金的にも置き場所的にも不可能。自然と、相互に貸し借りする助け合い(?)の雰囲気ができる
BAの補足になるが、作品タイトルの多さもさることながら、連載ものは長期化しているものが多く、「読んでみたいな」と思っても、ハードルが高いため。
との三つ(まあAとBは同じようなものですが…)の原因を考えつきました。
まぁ…私の場合は、それに加えて「好きな作品はスキあらば布教したいので、ついついグイグイと人に貸してしまう」という個人的なクセもあるのですが……。
どうも私自身は「マンガ読むのが好き。マンガの話するのはもっと好き」くらいの勢いなので、とにかく「このマンガが面白い、という気持ちを共有して欲しい!」という暑苦しい情熱がスパークするあまりに、人にマンガを貸してしまうような気がします。
以前、白泉社から「PUTAO」という雑誌が出ていまして、そのなかに一度、マンガ大好きで非常に詳しい、という主婦の方の座談会が掲載されていました。当時、あまり周囲にディープなマンガ読みの仲間がいなかった私は「わ〜いいな〜、マンガ好き同士でマンガの話できるなんて、うらやましぃ〜」と思いながらそれを読んでたのですが、その中に「友人と、お薦めのマンガのつまったダンボール箱をお互いにやりとりして貸し借りしています」との発言があったのです。
ええーー!!マンガがぎっしりつまったダンボールをやりとり!?
いいなぁあああああああ!!!
…そのとき以来、私には「友人とお薦めマンガのダンボールをやりとりできるようになったら、マンガファンとして一人前」という概念が刷り込まれました…。
それから数年、気がつくと最近はかなりのペースでマンガの貸し借りのために宅配便を利用するようになりました。なんだかマンガ好きとして「出世」したような気分でとても嬉しい今日この頃です。