“WASEDA bungaku Free Paper vol.011−2007−winter”
という24ページの冊子を発見。
芥川賞を受賞された川上未映子さんと、
マンガ家の榎本俊二さんが対談されていたので、
それを目当てでもらってきました。
この対談の時点では、まだ川上さん、受賞前ですが。
このお二人の対談、すごく面白かったです。
密度が濃いです。
言葉の密度が。
特に、以下の二点が、すごーく印象的でした。
[川上] (略)ちょっと関係ないけど歌人の穂村弘さんがね、『短歌という爆弾』の中でシンパシーとワンダーについて書いてはるんですが、ぐっとくる短歌とこない短歌の違いは、いわゆるシンパシー、共感と「これ、なんだ?」っていう驚嘆の配合にあって、それこそが作品の骨なんだと。
[榎本] それはもう、詩も短歌も漫画も小説も、ぜんぶに共通するような感じですね。(p.24)
という部分と、
[川上](略)だからその意味で『ムーたち』は、わたしの中ですごくいいバランスとしてあって。お芝居でも音楽でも映画でも、それじゃないとできないものをやり抜いてるのってすごく心を打たれるんです。
[榎本]そこはね、本当にすごく考えてます。漫画以外では成立しないようにしたいって。(p.22)
という部分。
すごく大事な話がなされてる!!
と、思いました。
「共感」と「驚嘆」の配合具合…。
「共感」がないと入っていけないし、
「驚嘆」がないと、新鮮さがないし。
難しいところですが、すごく大事で重要なところだと思います。
そして、
その形式でしか成立しないもの、という視点。
私自身は、
先鋭的である、ということに
どっちかというと関心の薄いタイプなんですが、
この「その形式(ジャンル?)でしか成立しないもの」って視点も、
評価の基軸として
アリだな。
っていうか、重要かも、と今さらながら思いました。
…というか、
そのジャンルがそのジャンルである(たとえば、「マンガ」が「マンガ」である)、
って、どーゆーこと?
っていうことを、
端的に表す視点だよなぁ、と思いました。
ひょっとしたら、
ものを作るような方は、
みんな「もう知ってたよ〜」ってことなのかもしれませんが、
私にとっては、ヒントにみちあふれた内容でした。
こんな充実対談がタダで読めるとは……!!
WASEDA bungakuさん、ジュンク堂さん、ありがとうございました。
そういえば、川上さんといえば、
こんどの日曜(4/27)の
竹熊健太郎さん・川上未映子さん・中川翔子さんが出演する番組が
放映されるそうです。
フジテレビ「ぼくらの時代」(AM7:00〜7:30)
詳しくは、こちら↓を。
竹熊健太郎氏のブログ たけくまメモ
2008年4月21日 (月)【業務連絡】「ボクらの時代」放映は次の日曜
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_9920.html
★★★
ところで、
まったくカンケーないですが、
伊勢丹から送られてきたダイレクトメールの、
カトリーヌ・メミのインテリア写真を見て
なんか、ハッとしました。
ダークブラウンのオーヴァルテーブルに、
椅子が四脚。
テーブルの上には、
白とグレーのお皿が互い違いにおかれている、
色の種類の少ない写真です。
カトリーヌ・メミのインテリアって、
シンプルさのなかにどこか厳しさがあって、
背筋がのびるかんじがします。
値段的にもスタイル的にも、
私にとっては「高嶺の花」なんですが、
見るだけでもなんだか、
自分の中で変わるものがある感じがして、
嬉しかったので、
メモとして書き留めておきます。
カトリーヌ・メミ
http://www.catherinememmi.com/indexbis.htm