先日、宝島社『このマンガがすごい!2009』のご紹介をしましたが、
本日、フリースタイルという会社から
『このマンガを読め!2009』という本が発売になります。
このマンガを読め! 編集部
フリースタイル
売り上げランキング: 1172
この本のすごいところは、
「BEST 10作品の一話がまるごと読める!!!」ことです。
連載第1話、もしくは作者に選んでもらった話数の“まるまる一話”が収録されてます(1作だけは試し読み)。
編集長のブログ↓
http://d.hatena.ne.jp/tamotsu_yoshida/20081128/1228178063私も今回、
アンケートにご協力させて頂きました
(『このマンガがすごい!』では「オンナ編」アンケートに
協力を、というご依頼でしたが、
こちらは全般対象だったので、両方とりまぜたセレクトになってます)。
★★★
私はいまでこそ
マンガに関するコラムやエッセイを書く、というお仕事を
させていただいてますが、
10代終わりから20代はじめの一時期、
環境の変化などにともなって
ほとんどマンガを読まなくなっていたときがありました。
とはいえ、もともとマンガ好きなので、
「ひさびさにどれか読んでみたいな」と思って
ふらりと本屋に行って手に取ろうとしたことも何度もありますが、
ビニールでコーティングされてパラ見ができなくなっているため、
何も買わずにすごすごと帰ってきたものでした。
そのとき、
いったん読まなくなってしまうと
どれを読んでいいか「嗅覚」が全然働かなくなってしまうことに
ビックリしたものです。
その頃はネットも発達してないし
周囲にマンガに詳しい人もいなかったので、
「自分の好きなかんじのマンガはこのあたり」というカンを
取り戻すまで、年単位の月日が必要となったのでした。
このときはつくづく、
「ああ、マンガソムリエがいたらなぁ…」
「私が『少女マンガではこういうのが好きで、
少年マンガはこういうのを読んできたんですけど…』とか言うと、
私の好みといまの人気作に照らし合わせて
『いまはこういう作品がありますよ』ってオススメしてくれる人。
そーゆー人が欲しいよ!!」
と思ったもんです。
いまはネットもありますし、
情報誌もある、という時代なので
かつての私のような苦労をする方はあまりおられないかもしれませんが、
「いまのマンガってどんなかんじ?」とか
「久々に読んでみたいんだけど」
という方は、
『このマンガを読め!2009』一冊で、居ながらにして
「10作品おためし」できちゃうのは貴重な機会なのでは、と思います。
『このマンガがすごい!』『このマンガを読め!』は、マンガ読みのセレクト投票が
もとになっていますが、
発売中の
『ダ・ヴィンチ』でのランキングは読者によるもので
(もちろん、マンガ通によるセレクトもあります!)、
読者の投票は「いま人気がある(売れてる)作品」のかなり忠実な反映になっていて、
この三冊を並べて見比べるのも
「マンガのいま」を概観する一手段として
面白いんじゃないかな、とも思ったりします。
ネットは「ピンポイントに情報をさがす」のに
とても適した媒体ですが、
「いま面白いマンガって?」的な、
ジャンルは絞られてるけどちょっと漠然とした問いに
応えてくれる、という意味では
紙媒体の雑誌やこういう「マンガ通にきいたアンケートによるランキング」本は、
一覧性と同時に、セレクションの基準をじっくり読む楽しみもあって、
かなり「要望に応える力」があるんじゃないかと思います。
あと、
『このマンガがすごい!2009』では、
ベスト10に選ばれた作者のコメントも載ってますが、
個人的には福満しげゆき先生のコメントが
あまりにも「らしい」ので笑ってしまいました。
そして、
巻頭と巻末の座談会は、
1950年前後生まれの方たちと、
1960年代生まれの方たち、
という年代の違うマンガ通による座談会で、
とても面白い試みだと感じました
また、これまた個人的な意見ですが、
今年は
「進化し続ける現役『少女マンガ』家」
くらもちふさこ先生がのきなみランキング上位入賞しておられて、
これも、すごく嬉しいです!!
しかし、マンガについて気になるとしたら、
「若い読者は、どのくらいマンガ好きなのかな?」
ということでしょうか。
いや、そんな雑誌編集者みたいなことを一マンガファンの私が
憂えるのもナンですが、
若い読者に野蛮なくらいの情熱で愛されていかないジャンルって
衰退しちゃうところがあると思うので。
なんか長々と失礼致しました。
そんなわけで、『このマンガを読め!2009』発売です。