朝日カルチャーセンター新宿にて、
「文学にみる男と女」
というタイトルで
精神科医の斎藤環氏と
作家の赤坂真理氏の
講座が開かれます。
斎藤環さんが、2009年に出された
『関係する女 所有する男』(講談社現代新書)
は、
世に流布するトンデモ男女論を鋭く批判しつつ、
男性は「所有」、女性は「関係」、という精神分析的な欲望の違いを軸に
ジェンダー(社会的・文化的性差)をめぐる差異に関して論じた
意欲的な著書です。
そして、赤坂真理さんといえば、
私にとっては
2007年に出た
『モテたい理由 男の受難・女の業』(講談社現代新書)
という本がとても印象的でした。
特に、女性誌に関する体験的考察が圧巻で、感銘を受けました。
「イメージ」に殺される(p.60)
という見出しで、長く女性誌ウォッチャーだった赤坂さんが
女性誌の流れを観察するために
大量に女性誌を読み続けると
必ず周期的に鬱状態になってしまった、という体験を語られています。
雑誌をたくさん読んでいると、決まって鬱になるときがやってくる。
(略)
ありえない設定に毒され、それを実現しない私の方に何か問題があるように思えてきて自己卑下に陥る。社会はハードルが高すぎて、自分なんかに出て行けるところであるようにはとうてい思えなくなる。社交なんかしたくない。電話にも出たくない。
(後略)(p.61)
さばききれない「情報の過剰」と「過剰な情報」。それらにさらされ続けると、刺激で肥大した神経系のほうがリアルとなり、人の実体を圧殺してしまう。
(略)
だとしたら鬱は「イメージ」に生命が殺される病でもあるし、私たちは、この病の包囲網に囲まれているのだ。(p.63)
という赤坂さんの分析は、
現代を生きる多くの(なまじ向上心(!)のある)女性にとって
かなりリアリティのある指摘なのでは、と感じました。
もちろん、
「そんな本気で女性誌とか読まないし〜」
とおっしゃる方も多いのかもしれません。
が、
酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』に
「女性誌というのは、読みすぎるとバカになりますが、読まなすぎるとブスになるのです」(p.250)
という名言があるように、
女性誌って、
読みすぎると
女性誌の提案する価値観やライフスタイルの
盲目的な消費者になってしまう危険性があるけれど、
かといって、
読まなすぎる(=流行をまったく無視する)と、
ファッションというものが「常に変化する、流行をふまえた相対的な美」である以上、
気がついたらとてつもなく時代遅れな人になっていた…
という可能性があって、
難しいところなわけです。
かく言う私も、
この冬は結局ほとんど服を買えませんでした。
最近、ちょっと太ってしまったせいもあり、
お店で服を見る気も起きず(←これって、けっこう気持ちが元気じゃないとできない…)
もし試着しようとしてもサイズがあわないと
「こんな美しい服をおまえのような奴が着ようなんて
この身の程知らず」
と言われてるようで(いや、被害妄想だとは思うんですが)、
なんかこう、
つらく暗い気持ちになってしまうので…。
それは「女性誌をたくさん読むと鬱になる」心理
(=「ステキ」じゃない自分に問題があるように思えてきて暗〜くなる気持ち)とも
リンクしてる気がします。
他にも本書は、女の達成感とは「受け身の攻撃性」(p.26)
といった鋭い指摘が目白押しで
興味深い一冊です。
そんな御著書のある赤坂さんと
斎藤さんが
どんなお話しをなさるか
すごく楽しみです。
以下↓で申し込めるようです。
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=59683&userflg=0
男女論A文学にみる男と女
− 「関係する女 所有する男」出版記念
精神分析科医 斎藤 環
作家 赤坂 真理
曜日・時間・回数
火 19:00-20:30 全1回 日程
3/2
受講料
3月(1回) 会員 3,360円
一般 3,990円
講座内容
男と女はどう違うのか?「性差」とは一体なんなのか?人気の精神科医が、社会にはびこるトンデモ仮説を排し、この大テーマをさまざまな角度から分析します。
赤坂氏の作品の特徴を「解離と関係をつなぐ声」と評した斎藤氏。文学にみる男女を精神分析的に考察しながら、「関係性ですべてが判断される時代」をめぐる対話を行います。
学生会員は1500円だそうです。
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=63329&userflg=0

